コーヒーを飲もうとしたら、油が表面に浮くことってありませんか?
もしくは、コーヒー豆を買ったら豆の表面が油だらけでびっくりした経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
普通、コーヒーには油が浮くイメージが無いので、「コーヒー豆が古いのかな?」「何か別の油が入ったのかな?」「飲んで大丈夫?」など、気になってしまいますよね。
でも、コーヒーに浮いているその油は、実はほとんどが飲んで安心な油なのです。
ではなぜ安心なのか、油が浮く理由とともにご紹介します。
油が浮く理由~1コーヒ豆の油~
目次
コーヒー豆がもともと油(脂質)を持っているからです。
コーヒー生豆中に約10~16%ある油(脂質)が、焙煎を経ることにより、表面ににじみ出てくるという訳なのです。
油が浮く理由~2コーヒ豆が新鮮である証拠~
コーヒー豆を収穫してからあまり時間が経っていない生豆は、豆の中の成分が濃く豊かなため、焙煎の当日から数日の間に油が浮き出てきます。
一方、収穫から3年以上も経つと豆の中の成分が薄くなるので、焙煎をしても油が浮きにくくなります。
もちろん、味も風味も劣ります。
ちなみにコーヒー豆に含まれていた油は、ほとんどがコーヒーかすに残ります。
油が浮く理由~3焙煎度が深い(深煎り)
そもそも焙煎(「ロースト」ともいいます)とは、コーヒーの生豆を炒って加熱する作業のことです。
収穫されたコーヒーの生豆は淡い緑色で味はほとんどなく、この状態では飲みません。
焙煎することによって、ようやく飲める豆へと変化します。
焙煎が進むと豆は茶褐色~黒褐色へと色を変え、香り・苦味・酸味・甘味といったようなコーヒーの風味がここで生まれます。
焙煎度は浅煎り~深煎りで、全部で8段階に分けられます。焙煎度が浅い順(焙煎時間が短い順)に示しますと・・・
浅煎り(ライトロースト・シナモンロースト)→ 中煎り(ミディアムロースト・ハイロースト)→ 深煎り(シティーロースト・フルシティーロースト・フレンチロースト・イタリアンロースト)
となります。
焙煎度が深い「フルシティーロースト」では、焙煎の直後から豆の表面に油が出ており、フレンチロースト・イタリアンローストに至っては、テカテカする位に油が浮き出ています。
またこの油は、味わいの豊かさや香りの良さと関係があります。
フルシティーロースト以降の深い焙煎の豆ですと、油が浮き出ているものが良い豆であり、良い焙煎がされている証拠となります。
ですから、油は旨味がある目安にもなるのです。
油が浮く理由4~コーヒー豆の保存温度が高い~
焙煎後のコーヒー豆をなるべく早く冷凍または冷蔵保存すると、ベトベトしてしまうほどの極端に油は浮き出てきません。
しかし夏などの気温が高い環境で常温のまま保存しておくと、油が浮き出てきますし、コーヒー豆も劣化します。
保存にぴったりな温度は約8度以下ですが、できれば3~5℃以下の温度で保存するとよいでしょう。
油も浮き出てこないですし、コーヒー豆を保存するのに最適な環境だといえます。
油が浮く理由~5コーヒーを抽出する器具に問題~
上記の状態以外のコーヒー豆を使い、ペーパードリップ・ネルドリップなどでコーヒーを淹れると、普通は紙やネルに油分が吸着されるので油は浮きません。
この場合は、コーヒーペーパーが薄かったり、ネルが綺麗に洗われていないことが原因かもしれません。
また金属フィルターの場合、フィルターの目が粗いので油がフィルターを通過してしまい、コーヒーに油が浮いてしまうこともあります。
他には、抽出する器具が汚れによっても、油が浮くことがあります。
まとめ
コーヒーに油が浮く理由は主に、豆が新鮮であったり、焙煎が深いことにあったんですね。
一方で、豆の保管が適切でなかったり、器具のメンテナンスが悪かったりということも原因の一つかもしれません。
「コーヒーに油が浮いているけど大丈夫かな?」と思ったら、飲んでいる豆や器具の状態を是非確かめてみてくださいね。
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